【書評】「縁の切り方」中川淳一郎:不要な人間関係を整理する

孤独な花のイメージ

ネットニュース編集者、中川淳一郎さんの「縁の切り方 絆と孤独を考える」を読みました。

内容(BOOKデータベースより)

「自分にとって不要な人間関係ならば、容赦なく縁を切るべし!」―そう断言するネットニュース界の第一人者が、自らの「諦観」の根源を初めてさらけ出した問題作。
ネットでもリアルでも、「つながる」ことは本当に幸せなのか?ネット上の豊富な事件簿や自身の壮絶な体験を赤裸々に振り返りつつ、本当に重要な人間関係とは何かをあらためて問う。SNSを中心にはびこる「絆至上主義」に一石を投じる渾身の社会批評。

面白かった度(★★★★★)

人間関係は時間とともに変化する。不要な縁は切ってもいい

Twitterやfacebookによって私たちは簡単につながれるようになりました。

私自身も日常生活のたわいもないことをブログに書いたりTwitterで絡むことでゆるやかな絆を感じることが癒しになってます。

でもSNSならではのクールさもあります。結局良くやりとりする人はリアルで出会ったことがある人が多くなりますし。

こういうSNSはうまく使えば有効な武器になります。そして繋がる相手も自分と共通の趣味、興味がある人です。だから仲良くなれる。でも共通の趣味、興味が無い人とはネットがあっても関わりません。

中川淳一郎さんは「分かり合えるはずの人」と「分かり合えないはずの人」とを明確に分けて説明しています。 高校時代は日本人というだけでバカにされるようなアメリカでの生活を送り、異なる人種の人間と分かりあうことは難しいことを実感。

でも日本の大学に通うようになり、キャンパス内で同じ講義を取っている(顔だけは知っている)人に「試験、何日だかわかりますか?」と声をかけると

「なんで、私が、あなたに試験の日程を教えないといけないんですか?」

という答えが返ってきて、同じ日本人、同じ大学生という共通項があっても分かり合えないことがあるということを学びます。

さらに社会人になり、学生時代にすごく仲が良かった友達との関係も薄くなっていく。

このような経験から

社会人は家族と仕事関係者以外に重要な人間はいない

と言い切ってます。

最後に、どうしてこういう諦念を持つようになったのかというエピソードが書かれてます。

中川淳一郎さんが結婚を考えたお相手に起こった不幸なできごとです。

私も元夫を亡くしているので共感して読んでいて涙が出ました。

ネットニュース編集者という中川さんの表の顔だけでなく裏の顔も見ることができて良かったです。

興味深かったのは「知人に貸したカネはどこまで戻ってくるのか」という章です。

貸したお金と返してもらったお金。誰に何の名目で貸したか、そしてその後の人間関係について分析しています。

カネを貸すという行為は深い関係にある者同士にしか発生しない。
普段仲が良いからこそ、相手が窮状を訴えてくるとなんとしても助けたい気持ちになってしまう。
でもカネの貸し借りが発生するとお互いの関係はぎくしゃくする。それは返済するまで続き、踏み倒した場合は間違いなく関係が終わる。

この気持ち、めちゃくちゃよくわかります。

普段そんなに仲が良くない人ならさっと断れるけど仲が良い人から頼まれたら断れない。

中川さんはトータルで1840万円貸して、戻ってきたのは1020万円。回収率55.4%です。

ローズマリーはトータルで1030万円貸して、戻ってきたのは92万円。回収率8.9%です。

(参考記事)→ 恋人・友人同士でのお金の貸し借りはダメ!私の失敗体験を反面教師にしてください

貸した額は中川さんより少ないけど回収率が少なすぎます。。。

中川さんは「借金を申し込まれるような深い仲にならぬよう、浅い関係を心がける」と書いてます。

ローズマリーは「深い仲になってもお金は貸さない」と決めてます。

どうしても困っている相手には「貸すのではなく差し上げる」。これなら気持ちもラクになります。

(実は相方くんには結婚前にお金を「あげて」ます。贈与税がかからないぎりぎりの金額です。そのうちの一部は婿入り道具となって我が家で毎日活躍しています。)

人間同士、わかりあえることもあるしわかりあえないこともある。

自分にとってほんとうに大切な人との関わりを大事にするかわりに不要になった人との縁を切る。人間関係にも断捨離が必要なのかもしれません。