【書評】紫式部の欲望(酒井順子)

murasakishikibu

こんにちは、ローズマリ-です。

本屋さんで手に取ってぱらっと読み始めたら手が止まらず買ってきた「紫式部の欲望」。

大変おもしろく、あっという間に読み終わりました。独自の目線で源氏物語を読み解く!という感じで非常に良かったです。

おススメ度★★★★☆

紫式部の欲望を読んだ感想

女性なら源氏物語は一度は読んだことがあるでしょう。

桐壷帝の第二王子、光源氏は稀代のプレイボーイ。

若くして年上の葵の上と結婚したけれども、他の女性とも数々の恋愛を重ねます。すんごい年上の源典侍(げんのないしのすけ)に手を出したかと思えば5歳くらいの若紫(のちの紫の上)を連れ去ってきて自分好みの女性に育てて愛人にし、さらに桐壷帝(父上)の妻である藤壺とも密通して子供を作ってしまい…と節操がない。

他にも須磨に流されたときに知り合った明石の君、おっとりとしている花散里、他の愛人に嫉妬して物の怪となって殺してしまった六条御息所など個性的な女性がたくさん登場します。

それぞれの女性に感情移入したり、自分はこの女性のタイプだな~とかどの女性が一番幸せかしら、なんて想像しながら読んでました。

著書の酒井順子さんは冒頭でこのように書いてます。

若い頃、「源氏物語」を読んでいて光源氏に対して思ったのは 「この男の人は、精神を少々病んでいるのではないか?」 ということだったのでした。
ちょっといい女と見たら、何の考えもなしに手を出す。否、ちょっといい女だけでなく、末摘花のように全く美しいとは言えない女性のことも、はたまた源典侍のような色気婆のことも、拒否はしない。

そういわれてみれば確かに。いくら浮気性といっても節操がなさすぎです。

そして

しかし、三十歳を過ぎてからふと、原文で源氏物語を読んでみようと思い立ち、毎日数ページずつ読み進めていくうちに、思ったのです。「そうだ、これは物語なのであった」
…(中略)…
とある部分を読んだ時に私は思ったのです。 「これは、作者である紫式部が、自身の秘めた『欲望』を、思い切り吐き出すために書いた物語なのではないか」と。

紫式部の欲望を想像して源氏物語を読み解いてます。

目次を見ただけでもああ、この女の人のことね…と想像がついて笑えます。 一部を抜粋するとこんな感じ。

  • 連れ去られたい
  • ブスを笑いたい
  • 嫉妬したい
  • プロデュースされたい
  • モテ男を不幸にしたい
  • 秘密をばらしたい
  • 正妻に復習したい

紫式部は清少納言と同時代に生きた、いわば平安の世のキャリアウーマン。 紫式部の欲望は平成の世の女性に通じるところもあるのかもしれません。

源氏物語をおぼろげにでも知っているとさらにおもしろいです。

巻末に源氏物語の主要登場人物とあらすじが書いてあるので知らなくても楽しめるでしょう。

源氏物語の世界へようこそ

私が最初に源氏物語を読んだのは高校生の時。田辺聖子さんの本でした。 何度も読み返した記憶があります。 いつか酒井順子さんのように原文で読んでみたいものです。