こんにちは、ローズマリ-です。
湊かなえさんの「Nのために」を読みました。
超高層マンション「スカイローズガーデン」の一室で、そこに住む野口夫妻の変死体が発見された。現場に居合わせたのは、20代の4人の男女。それぞれの証言は驚くべき真実を明らかにしていく。なぜ夫妻は死んだのか?それぞれが想いを寄せるNとは誰なのか?切なさに満ちた、著者初の純愛ミステリー。
おススメ度★★★☆☆
「Nのために」を読んだ感想
「告白」で有名になった湊かなえさんの作品です。
登場人物4人が一人称で事件のことを話していくスタイルはいつもの湊かなえさんのパターン。
前半部分で事件の概要がわかり、後半部分でそれぞれがついたウソがわかり、徐々に事件の真実がわかっていきます。
うーん…なんだか消化不良な作品でした。
それぞれが誰か(N)のためにちょっとしたことを内緒にしていたというパズル的な要素があるのですが、殺人の動機が弱くて感情移入できませんでした。
ミステリーとしても人間関係を楽しむ小説としても中途半端な印象。
でも物語の中に出てくる小説「灼熱バード」は不思議な雰囲気で読み応えがありました。芥川賞っぽい作品です。これでオススメ度を一つ上げて星3つにしました。
灼熱バードを読んで思い出したのが、天童荒太さんの「永遠の仔」。
児童虐待がテーマとなってるミステリーです。「Nのために」の登場人物の一人の境遇がジラフ(キリン)と呼ばれてた子供と似てるのです。
「永遠の仔」は名作。オススメ度はもちろん★★★★★です。