先日 母が亡くなりました。
ガンが見つかってから半年。74歳での旅立ちでした。
亡くなった次の日に通夜、その次の日にお葬式をしました。
喪主は父。私も一緒に葬儀社との打ち合わせなど最初から最後まで立会いました。
昨年は祖母が亡くなりました。
その前は自分が喪主をつとめた元夫のお葬式です。
元夫、祖母、母。それぞれの行事に喪主側として参加して感じたこと、行事の流れと必要なものについて書きます。喪主側の方、参列する方どちらにも参考にしていただけると幸いです。
お通夜、お葬式などの行事の流れ
葬儀社と打ち合わせして日取りと時間を決める
まずは葬儀社を決めるところからですが、母の場合は事前に葬儀社を決めて簡単な打ち合わせをしてました。
次は行事の日時を決めます。お通夜は夜、お葬式(葬儀・告別式)はお昼に行います。まずはお葬式の日にちと時間を決め、その前日にお通夜です。
お葬式の日時は火葬場の日時を基準に決めます。今回は葬儀社の方が市役所に電話して火葬場の予約をしてくれました。
移動時間と葬儀にかかる時間を考え、火葬の1時間前に葬儀・告別式を始めることにしました。
火葬の手続きや市役所への死亡届提出などは葬儀社の方がしてくれます。葬儀などの費用は後払いですが火葬の費用は現金払いなので葬儀社の方に預けます。
あとは祭壇、棺桶、来てくれた人へのお礼の品(お通夜用、お葬式用それぞれ)、お通夜の食事や精進上げの料理をどんなものにするかなど細かいことを決めます。
通夜の流れ
こういうのは地方によって違うのかもしれませんが、私の住む大阪ではこんな感じです。
・葬儀社との打ち合わせ(喪主側)
式全体の流れの確認です。お焼香(仏式の場合)の順番、お焼香時に喪主側として立つ人とその位置、喪主挨拶のタイミングなどを決めます。
・お坊さんとの打ち合わせ(仏式の場合、喪主のみ)
戒名をつけてもらうため、故人の人となりや使って欲しい漢字などを説明します。このときにお布施を渡します。お布施の相場は葬儀社の方が教えてくれます。
・お通夜開始まで
お通夜が始まる時間の少し前に参列者が集まります。早めに来られた方には故人の顔を見ていただきます。
・お通夜
司会の方の開式挨拶に続き、お坊さんが入場してお経を上げ、その後参列者がお焼香をします(仏式の場合)。
神式ではお焼香の代わりに玉串(榊の枝に紙垂(しで)という白い紙片をつけたもの)を捧げます。またキリスト教や無宗教の場合はお花を捧げます。玉串、お花は根本が祭壇側になるように捧げます。
最初のお焼香が喪主、その後、親しい親族から順にお焼香をします。喪主とその家族はお焼香が終わったら向かって右前の位置に立ち、参列者がお焼香をしてくれた後にお礼をします。
お焼香が終わると喪主挨拶をして行事は終了です。参列者には会葬礼状とお礼の品をお渡しして帰ってもらいます。
・お通夜の後
行事が終わったら通夜ぶるまいといってお食事を出します。残るのは親しい親戚などです。
元夫の時は元夫の会社の方や双方共通の知人に残ってもらって思い出話をしました。
仏式の場合はお線香の火を絶やさないように誰かが起きているようにします。
でも、こだわらないのであれば火を消して寝ちゃっても良いです。疲れますしね。
葬儀会場には親族用の控室が用意されてることが多いです。
お風呂などの設備もあるので泊まるのも便利になりました。
昔々、祖父を見送った時は祖父母の家に親戚たちに泊まってもらったので布団を用意したり次の日の朝食を準備したりと大変でしたが…
葬儀・告別式~火葬、お骨上げまでの流れ
・葬儀社との打ち合わせ(喪主側)
お通夜と同じように式全体の流れを確認します。
・葬儀・告別式
参列者入場、お焼香などはお通夜と同じです。お焼香の前に弔辞を読んでもらったり、故人の生涯について話をしたりすることもあります。
元夫の時は司会の方が最初に故人の生涯について話をしてくれました。母の時は父が原稿を書き、弟が話しました。
お焼香が終わると棺桶を中央に移動し、棺桶のふたを開けて参列者が順番に棺桶に花を入れます。飾る花は祭壇に飾っているものや供花から式場の人が準備してくれます。
お花と一緒に故人の好きだったものを入れても良いです。火葬場によっては燃えないもの(プラスチックや金属など)を入れないように言われますので葬儀社に確認しておきましょう。
ひととおり花を入れ終わったら棺桶を閉じ、霊柩車に運びます。
喪主や親族は霊柩車と一緒に火葬場へ行きます。参列者は霊柩車を見送って解散です。お通夜と同じように参列者には会葬礼状とお礼の品を受け取ってもらいます。
・火葬場
火葬する前にもう一度お焼香や供花などをすることもあります。火葬場まで来るのはごく親しい親族のみです。
火葬が終わるまで数時間かかるので、いったん式場に戻ります。このあいだに精進上げの料理をいただきます。
・お骨上げ
火葬が終わるとお骨上げをします。平たく言うとお骨を骨つぼに収めます。
・初七日法要
お骨上げの後、また式場に戻って初七日の行事を行うこともあります。
母、祖母の時はやらなかったのですが元夫の時にはやりました。
この時が疲労のピークで、お経を聞いているのが辛かったことを思い出します。
・家に戻って遺骨や遺影を飾る
行事が済んだら遺骨と遺影を家に持って帰ります。葬儀社の方が横に飾る花などを持ってきてくれます。
仏式の場合は白木の台やお供えセットを持ってきてくれるのでここに飾ります。あらかじめ飾る場所を決めておくと良いです。
お葬式に必要なもの
以上の行事をふまえ、喪主側、参列側に必要なものです。
遺影にする写真
遺影にする写真、重要です。他のものはすべて葬儀社が準備してくれますが、これだけは喪主側が準備しないといけません。
母は病気がわかってからすぐに遺影にする写真を撮ってもらいに行きたいと言ってましたが、抗がん剤治療を始めたらそれどころではなく・・
父のパソコンに入っていた写真から綺麗にうつってるものを数枚選んで印刷し、最後は父と私たち兄弟でその中から選んで決めました。
喪服
ここからは喪主側、参列者、どちらにも共通するものです。喪服も重要です。女性は黒のフォーマルウェア、男性は黒の礼服です。葬儀社さんで借りることもできますし礼服レンタルのネットショップなどもあるので持ってなくても良いですが、お葬式は急に決まることが多いので1枚は持っておくほうが安心でしょう。祖母の時は相方くんの服はレンタルで済ませましたが、母の病気がわかってからきちんとした礼服を作りました。
喪主側は参列者よりも格式の高いものを着ることになってますので、女性が喪主の場合は和装が良いかもしれません。元夫の時は私も葬儀社で貸してもらって着物を着ました。着付けも葬儀社が手配してくれます。(髪のセットは葬儀社にお願いできなかったので行きつけの美容院にお願いしました)。
お通夜は急なことなのでグレーの服でも良いと書いてあるマナー本もありますが、最近はお通夜かお葬式のどちらかだけに出席することが多く、お通夜も正式な行事ですのでほとんどの方はブラックフォーマルでやってきます。きちんとした服装で出席するのが好ましいです。
バッグと靴
バッグと靴。見ている人はよく見てます。私はしっかり見ていました。
バッグも靴も布のものが正式です。皮のバッグを持ってきている人もいたけれど布のバッグの方が好感度が上がります。私はバッグは百貨店のフォーマル売り場で、靴は通販生活のサイトで買いました。通販生活のロイヤルパンプスという商品です。
喪の席では殺生を避ける意味で「革」はふさわしくないとされていますが、布製のフォーマルパンプスとなると街のお店ではなかなか見かけません。布はシワができやすいので上品なフォルムに仕上げるのがむずかしいからです。
本品は、40年以上にわたって皇族方の靴を手がけてきた名工房、シルビア工房の代表作ともいえる布製のフォーマルパンプスです。
バッグはこういうのがあるといいですね。
アクセサリー
アクセサリーは結婚指輪でも付けない方が良いそうですが、唯一つけて良いのは涙の象徴 パールです。
若い時は白いパールでも良いですが、ブラックパールの方が好感度が上がります。母の友達や近所の方はみんなお年をめした方なのでほとんどブラックパールでした。安いものは通販でも売ってます。
ハンカチ
ハンカチは白いものを。黒でも良いそうです。
ですが参列者のハンカチまで見ませんので喪主側でなければ柄物でもいいと思います。
お葬式に不要なもの
ここからは私の独断と偏見にもとづくものです。
香典
元夫、祖母、母。どのお式でも香典は受け取りませんでした。
会社の訃報通知でも、最近はほとんどが香典は辞退しますと書いてます。(参列を辞退する方も増えました。)
お香典を受け取ると後で香典返しをしなくちゃいけないので喪主側には負担になります。来ていただいただけでありがたいのでお金は不要です。
どうしても何かしたいと思ったら供花を出して下さい。母の時も祖母の時も親戚の方々が供花をしてくださり、花いっぱいで華やかに見送ることができました。
黒いエプロン
昔は葬儀場の設備が整ってなかったので、家でお式をしたり近い会場で通夜、葬儀のみをして訪問者には家に泊まってもらうことがありました。
そんな時、お客様にお茶を出したり食事の準備をするのに黒いエプロンは女性には必須の品でした。そう、喪服とおなじようにお葬式に黒いエプロンは女性のたしなみとして持っておくものだったのです。私も祖母が倒れてからすぐに通販で黒いエプロンを買いました。
でも今は食事は式場で準備してくれるしお茶も出してくれます。祖母の時も母の時もとりあえず持っていきましたが使うことはありませんでした。
宗教
元夫と祖母は仏式で普通にお坊さんに来てもらいましたが、父の意向で母は無宗教で見送りました。
お焼香のかわりにお花を一輪ずつ捧げました。
お花を捧げるだけではあっという間に終わってしまうので、お式の最初と最後に黙祷をし、お通夜では黙祷前に母の好きな曲を流してもらいました。
母は病気がわかってすぐに旅立ちの衣装を準備していました。
趣味の会の発表会で着た衣装で、お花の刺繍をしている白いフリフリのブラウスと赤いフレアスカート。それに合わせた赤い靴も。
綺麗に着せたので、献花をしたあと、お一人ずつ順番に母の姿を見てもらいました。
この時に母のことについていろいろ話をすることもできました。
お坊さんがいないので長いお経は無し。
お通夜前にバタバタしてる時に打ち合わせもしないで済むので楽でした。
普段からお寺とのお付き合いがあればお坊さんに来てもらうのも良いのでしょうが、無理にお経を上げてもらわなくてもきちんと送り出せます。
無宗教だとお坊さんへのお布施の他にも枕飾り(お線香など)や宗教的なものが不要になるので費用も安く済みます。
葬儀社との打ち合わせではこれも要りませんね、あれも要りませんね、と担当者の方が言ってびっくりしました。それだけ宗教的なあれこれがたくさん必要だったということです。
父から無宗教と聞いた時はどんな感じで式をやるのか不安がありましたが、やってみると良い感じだったので自分の時も無宗教でいいと思ってます。
最近の葬儀社はすごい!
私が喪主をつとめたのは8年前です。8年前と比べると時代はすごく進歩していました。
葬儀社の方はタブレット持参!タブレットにある画像を見ながら必要なものをチェックしていくとおよその金額がすぐに出てきました。
他にもすごいと思ったのは祭壇です。祭壇といって思い浮かべるのはこういう白木のものです。
こういうのは使いまわせるので比較的安いのですが、生花の祭壇だとお花の値段が結構します。
元夫の葬儀の時は明るく送りだしたかったので少々値段が高くなっても良いのでとにかく豪華なお花をたくさん!とお願いしました。お値段もそれなりにかかりました。
母も明るく華やかな人だったのでやっぱり生花の祭壇にしようと思ったのですが、葬儀社の方から提案されたのはプリザーブドフラワーの祭壇でした。
華やかだけどお値段はリーズナブルでした。生のお花は供花などがあるのでお花いっぱい華やかに見送ることができました。母もきっと喜んでくれてると思います。
まとめ
以上、母を見送って感じたことを書きました。
人はいつか必ず亡くなります。
いざという時にあわてないように。この記事がお役に立てばうれしいです。
お葬式の後の手続きなどはこちらの記事を見て下さい。
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